cuLo MOD Studio!

ギター、エフェクター、電子回路をつらつらと。

さよなら、シグ。

  12月の某休日、晴れた青空の正午前。目的地に向かって右手を捻っていた。目的地に着いたら、散髪して、電材屋で部品買って、あとちょっと気になるお店とかを冷やかして帰ろうかとか考えながら。赤信号がシグナルアウト。アクセルをひねって加速する。はずだった。スタート直後の少しの加速の後、突然エンジンが吹けなくなった。走れる。が、パワーが無い。車の流れに取り残されそうになる。坂道を登ってくれない。さっきまでのお気楽な気分は何処かに行ってしまい、頭の中はメカニカルなエンジンの構造と症状の照合分析で埋め尽くされた。

 

 2004年。冬の晴れた朝、朝までの仕事が終わって二車線ある住宅街を家路に向かって400ccネイキッドのバイクで走っていた僕は、脇道から現われた大柄なSUV車とぶつかってしまった。10メートルほど空を舞った後、冷たい地面をベッドにしながら「ちょっと強い打ち身程度だろう」。そう思っていたら、左足の骨折と言われてしまった。1ヶ月ほど入院して、仕事復帰して、再会した事故の時に乗っていたバイクはボロボロだった。このときも相当参ったが、人間は生活するために働かなければならない。松葉杖を持って乗れる通勤用バイクが必要だった。なのでバイク屋でシグナスのフラットフロアな部分と見た目が125の中では気に入って選んだ。骨折してもバイクとは呆れるだろ?。

 

 シグナスは400ccのバイクに比べれば随分と物足りなかった。買った当時は随分とその非力なパワーユニットに不満があったが、それでもツーリングに出かけないという選択はなかった。荷物はラゲッジスペースに結構積めた。濡れた地面ならマックスターンもできる。軽くて立ち回りはとても楽。

 

レンタルビデオ屋に止めている間に10円パンチを食らった。怒って近場を犯人捜ししたけど見つけられなかった。今でも見つけたらとっちめてやろうと思ってる。

センタースタンドの端をバンクでカリカリ鳴る位コーナーを攻めた。攻めすぎてコケた。 

妻を連れて富士山の五合目まで行ったね。実質新婚旅行だった。

子供も一緒に富士山に連れて行ってくれた。 夜の道志道は流れが速くてシグの軽さだとちょっと怖かったけど。

富士山を一周して,白糸の滝を見て、富士宮やきそばを食べに行ったね。

江の島にも行ったね。海を見て散策して、随分歩いたから帰りは眠かった。

Vベルトが破けるまで走った。そのあと押して家まで戻るの大変だったよ。

 

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今年は長女を連れての初日の出ツーリングにいったね。

結局それが最後のツーリングだった。気づけば2004年から乗っていた。妻と比べるもんじゃないが結婚生活より長い。ここ2年位はもう各部のコンディションが良くない事を解りながら騙し騙し起こるトラブルを直して乗っていた。最後のトラブルははっきり解らかなった。最終的に試さなかったのは2次エアか、キャブの詰まりか、圧縮抜けか。もう次のに乗れ、休ませろってサインだったのかも。それはちょっと自分に都合良く考えすぎか・・・。

 

 

シグナスX 型式SE12J。2003年発売。125cc。空冷4バルブSOHC。最大出力10.6PS。

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お疲れ様。ありがとう。シグ。

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