昔のギターを電気的リフィニッシュする。(11)_cuLo
こんにちは。GWですね。数年前まではGWの関係ない(むしろ忙しい)職種にいたもので、今はGWを楽しめる職に転職しておりますが、反面休みの日はどこに行っても人が多い!良い面も悪い面もあるもんだと思います。cuLoです。
さて、今回はトレモロユニット付きギターのチューニング方法を書いてみたいと思います。前回で弦高、オクターブチューニングを行いましたので、あとは通常のチューニングを行えば一応の完成となり、残るは聞き比べのみとなります。
あらかじめ断っておきたいのですが、今回紹介するチューニング方法は「フローティング」が前提となっています。ちなみに「フローティング」とはチューニングが合っている状態でブリッジのお尻側が1mm程度浮いている状態を指しています。この状態にすることによってシンクロナイズドトレモロとしての性能が発揮されます。その最大の利点は、アーミング後チューニングの狂いが少ない事です。(おまけとしてアップ側にも少しだけアーミングできる)
では始めていきましょう。
- ブリッジに何か挟む(今回はギター回路部の裏蓋プレート。)
- スプリングクローホックのネジを締めこんでおく。
この時点で挟んだ何かの分がフローティングする幅になります。1mmと書きましたがもうちょっとありますね。誤差です誤差。
- チューニングする。
この時点でペグを使ってチューニングします。チューニングはレギュラーでも♭チューニングでも、ダブル♭チューニングでも、ドロップDでもナッシュビルでも何でもいいです。ただし、チューニング中にブリッジに挟み込んだプレートが落ちた場合は後ろのスプリングが弱すぎますので、スプリングを増やす必要があります。基本的には弦の張力が強くなるナッシュビルチューニング等はスプリング側も強く(多く)、ダブル♭など弦の張力が弱くなる場合はスプリング側も弱く(少なく)する必要があります。もう一つの注意点としてペグを回すときに「低い音から高い音へ上げながらチューニングする」ことです。高い音から低い音へ下げながらチューニングすると弦が緩むので、ナットを中心にヘッド側とネック側で張力が変わってしまう可能性があります。そうすると弦を弾いた時、アームを動かした時などに張力が変わってチューニングが狂う原因となります。チューニングが終わったら、この時点で一度めちゃくちゃに掻き鳴らしましょう。そしてチューニングがずれてないか確認します。ズレていればもう一度チューニング。これを繰り返します。言い換えれば弦側の張力を決定していると言えます。
チューニングが安定したら、
- ギターを起こした状態でスプリングクローホックのネジを緩めていく。
狙いは、ブリッジに挟み込んだプレートが自然に外れる事です。交互に少しずつ緩めていきましょう。そうすると何処かでプレートが落ちます。プレートが落ちたらもう一度弦の音程を見てみましょう。チューナーで見ると少し「低く」なっている筈です。しかし、焦ってペグでチューニングしてはいけません。台無しになります。
(近すぎてピント合わない…)
- チューナーを見ながらスプリングクローホックのネジを締める。
そうすると今度は音程が高くなっていきますので、チューナーを見ながら合わせて行きましょう。ちなみに6弦側のネジを締めれば6弦側が高く、1弦側を締めれば1弦側が高くなっていきます。バランス、大事。この工程は言い換えればスプリング側の張力を弦側に合わせていると言えます。
これで各音の整合が取れたらチューニング終了となります。
cuLoのギターではアーミング直後はチューナー上少しズレますが(といっても聴感上はほとんど変わらない)2~3回ストロークするうちに元通り、といった感じです。これでチューニングが狂いにくいトレモロの完成です。トレモロでアーミング後狂ってしまうという方はぜひ試してみてください。
では、またお逢いしましょう!