「.include」を使わずにLTspiceでオペアンプをライブラリに登録する方法。
伝えたいことはタイトルそのまま。LTspiceに初期登録されていないデバイスをシミュレートする場合の常套手段は「opamp2」を置いて「.include ~」でデバイスのライブラリファイルを指定する必要がありましたが、よく使うデバイスはできればライブラリからそのまま使いたい。そしてやっとその方法の一旦が解りましたので備忘録を兼ねて記事にします。一部未確認の箇所もありますが、基本的に2回路入りオペアンプはこれで登録できます。
事前準備・前提事項
・本記事はオペアンプのマクロモデルを持っている前提の記事です。マクロモデルを手に入れている前提で記事が進みますので注意してください。ちなみに今回は「NJM072」を登録していきます。
・LTspice XVIIを使用。
・マクロモデル「~.lib」の格納場所は「c:>ユーザー>ユーザー名>ドキュメント>LTspiceXVII>lib>sub」を前提。
マクロモデルについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
オペアンプを登録する
「opamp2」を用意する。
とりあえずLTspiceを立ち上げて「opamp2」を設置します。必要であれば確認用の周辺回路もとりあえず作っておきます。(ちなみにV4から上に伸びてる線は無視してください。)
「opamp2」を右クリックして出てくるウィンドウの左上部「Open Synbol:」をクリックします。
ライブラリとシンボルを結びつける
すると「opamp2.asy」のシンボル編集ウィンドウが開くので、オペアンプシンボルを右クリックして「Attributes」「Edit Attronites」の順に選びます。
すると上記画面がでるので、⇒①②③の箇所をダブルクリックして下記のように入力します。
① njm072c_v2.lib
② NJM072
③ njm072c_s
①SpiceModelの項目はライブラリファイル(拡張子.lib)を指定します。これは間違いなく指定しないと読み込みができませんので拡張子もしっかり入力しましょう。
②Valueの項目は配置したオペアンプに表示される名前です。基本なんでもよいと思います。(未確認)
③Value2 = subckt名の項目は少し注釈を入れます。
2回路入りオペアンプを使用するとは言え、spice上に設置するシンボルは1回路分なので、1回路分であること個々の「Value2」を指定します。spiceモデルファイルをテキスト系のソフト(ワードパッドとか)で開くと今回の場合「X1」~の後ろに「njm072c_s」とありますのでこれを指定します。もう少し詳しく冒頭で紹介したリンク先に書いてありますので参照してみてください。1回路入りでもこれはあるようですが、そのうち調べます。
ライブラリから選択できるようにする
「Save As」から名前をつけて保存します。この名前がライブラリを開いたときに表示される名前となります。
ライブラリを開いてオペアンプの項目を見ると先ほど制作したデバイスが新たに追加されているハズなので、選択して配置します。
正しく動作するか確認する
「opamp2」を消去し配置した「NJM072」に入れ替えます。
電圧利得 vs 周波数特性をシミュレートしてみました。データシートと同等になっているので無事マクロモデルのライブラリ登録が出来た事が確認できました。
しかし、俺は「NJM072」のマクロモデルどこで手に入れたんだろ…。