フロイドローズ搭載B.C.Rich製モッキンバードSTをメンテナンス。その4‗cuLo
第四回目モッキンバードSTメンテナンス。はじまるよー!
と言っても、今回はモッキンバードSTについているアクティブ回路という部分の過渡特性をシミュレーションしてみました。メンテナンス回改めフィルタ解析回です。このフィルタは「バリトーンスイッチ」という名前で呼ばれており、インターフェイスとしては5wayスイッチ、半時計周りに回せばハイカットフィルタとして機能するスイッチです。使いどころはいまいち不明…。
個人的にはクリーン時にトーンポッドはそのままで「Paris Match」のSaturdayのような音色にしたいときに弄ってましたが、今回フィルタの回路を見て「ほーぅ」となったのでしっかりめ(当社比)解説していきます。
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ご紹介「Paris Match - Saturday」
フュージョン好きな人はきっと好き。
まず、今回エクセルでのフィルタプロットは断念しました。理由は超絶めんどくさそうな計算になる&計算式がわかったところで活用しにくい&読者置いてけぼり、になると思ったためです。まぁ、今回みたいな計算の多い記事は嫌厭されがちのようですし省略した方がむしろイイかも?。しかしフィルタの特性を調べるためには何らかのシミュレーションが必要となります。そこで電子回路設計者からその辺の無線好きのおっさんまでご用達の「LT Spice」を使用して周波数の特性をシミュレートしてみました。
回路の解説を少し。まず「バリトーンスイッチ」は5wayと書きましたが、回路上は4回路がフィルタ通過、通常使用の1回路はバイパス(フィルタを通らない)となります。なので今回の過渡特性は2回路目から5回路目までの4回路をシミュレートしてみました。「LTSpice」でのswの使い方がいまいち不明だったので、各回路を並列に並べて出力を同じグラフ上に並べました。ちなみに入力が一つしかありませんが、電源インピーダンスは理想の「0」なので他の回路部分から影響は無いと考えます。
下のグラフは「バリトーンスイッチ」の各フィルタのプロットでOut_sw2が回路2、Out_sw3が回路3…という風に回路5まであり、x軸が周波数、y軸が出力の大きさです。単位はdB(-3dBで元の信号の1/√2、-6で1/2)。濃い色の線が出力電圧の大きさ、薄い色の線が位相を表してますが位相は今回は無視して結構です。
ちょっとわかりにくいですね・・・
通常のトーンポッドの回路などはOut_sw5のように周波数が高くなるにつれどんどん減衰させるようなフィルタをしているのに、Out_sw2~4は高音部分をある程度削りつつ、維持する特性である事が特徴的です。Out_sw2は低い周波数で減衰を始めますが、高音をがっつりカットするわけではなく2強dB程度削りそのまま維持するようなフィルタ、Out_sw4はある程度まで高音も出力させ、1kHz位に向けて大幅カット1kHz以上は1/4程度の出力となります。そしてOut_sw3は…なんでそんな低音からカットしてんの?
というわけで「バリトーンスイッチ」の過渡特性についてお送りしました。エレキギターを自分で改造される方などは参考になるとうれしいです。
では、良いギターライフを。
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